まずは、各学校の違いを知っておこう!
大学・短期大学・専門学校の違いについて
高校卒業生の約7割が進学する大学・短期大学・専門学校。それぞれが持っている特徴は
実にさまざまなので、まずはそれぞれの学校の特徴を把握しよう!
将来就きたい仕事をめざして、自分にあった進路をえらぼう。
- 大学にはどんな種類があるの?
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大きく、国立大学・公立大学・私立大学の3種類に分けられるよ。
大学には国による国立大学、都道府県・市区など地方公共団体による公立大学、各団体による私立大学がある。令和元年5月現在、国立大学が86校、公立大学が93校、私立大学が607校となっている。800校近くある大学の約8割が私立大学なのだ。
大学数と同様に、学生数も私立大学が圧倒的に多く、大学生全体の約7割を占めている。
国公立大学と私立大学は、いずれも文部科学省が所轄する大学である。この他にも、防衛省や国土交通省、厚生労働省など各省庁が所管する「大学校」というものもある。
また2019年4月より、各専門分野の知識と技能を学び、リーダーシップをとれる人材を育成する「専門職大学・短期大学」という新しい高等教育機関が設置された。
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- 大学のカリキュラムってどうなってるの?
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大学では、自分で履修する授業を決めるんだよ。
大学には学ぶ分野ごとに「学部」が設置され、学部はさらに「学科」「専攻」「コース」などに細分化される。大学ごとに科目や内容、履修方法などを工夫しているのが「カリキュラム」である。各授業についての概要や授業内容、成績の評価方法、参考文献などを記した授業計画書が「シラバス」で、学生はシラバスを参考に履修する授業を決め、カリキュラムを組んでいく。
1つの授業科目の履修を終えると、試験やレポートの提出が課され、その上で「単位」が与えられる。卒業に必要な単位数は、4年間で124単位以上(医学部・歯学部は6年間で188単位以上、6年制薬学部は186単位以上、獣医学部は6年間で182単位以上)。
また、大学には少人数で1つのテーマを研究する「ゼミナール(ゼミ)」という授業がある。ゼミは大学教育の根幹をなすもの。授業はテーマに沿った文献などから、自分の考えや実験・実習の結果を発表し、教授やほかの学生と討議するのが一般的だ。ゼミでの研究テーマは卒業論文にも関わってくる。
■大学での卒業に必要な修得単位 修業年限 単位数 下記以外の学部 4年 124単位以上 医学部・歯学部(学科) 6年 188単位以上 6年制薬学部(学科) 6年 186単位以上 獣医学部(学科) 6年 182単位以上
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- 大学生の卒業後の主な進路は?
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就職者は78.0%。 留学や進学する人もいるよ。
大学を卒業すると、多くは企業などに就職したり、大学院に進学する。また、留学したり、専門学校へ入ってさらなる知識や技術を身につけようとする人もいる。
文部科学省の発表資料によると、平成31年3月に大学(学部)を卒業した人のうち就職者は78.0%、大学院等への進学者(専修学校や外国の学校などへ入学する人を含む)は11.4%となっている。また他に、臨床研修医(予定者を含む)になる人もいる。
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- 短期大学ってどんな学校?
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2、3年で資格や学問を身につけられる学校。
短期大学には都道府県・市区など地方公共団体による公立短期大学、各団体による私立短期大学がある(令和元年5月現在、公立短期大学が17校、私立短期大学が309校)。短期大学の約9.5割が私立短期大学なのだ。
修業年限については、2年制と3年制がある。3年制は、看護学科や診療放射線学科、理学療法学科など医療系の学科を設置している短期大学に多い。
近年では男女共学の短期大学が増えている。2年間(あるいは3年間)で必要な資格や学問を身につけることができる短期大学は、男子学生にも好評なためだ。
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- 短期大学の特徴を教えて!
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1年生から社会人として必要な「教養」と、職業に直結する「実務」が学べる。
通常、短期大学には、学ぶ分野ごとに「学科」が設置され、学科はさらに「専攻」「コース」などに細分化される。
短期大学のカリキュラムは、教養教育と実務教育(専門教育)の2本柱が特徴だ。社会人として必要な教養を身につける科目と、職業に直結する実務的な知識・技術の両方を、1年次からバランスよく学べるのが短期大学の大きな魅力といえる。
また、国際化時代の社会人として活躍できる人材育成に力を入れているのも特徴のひとつ。英会話などの語学力アップはもちろん、海外研修や海外留学、さらには海外の大学への編入などに力を入れている短期大学も多い。多くの短期大学では海外に提携校があり、そこを利用して、独自の語学プログラムを用いた研修やホームステイなど、それぞれオリジナルのメニューを用意して実施している。
また、資格取得をめざす学生のためにサポート体制を取っているところも多く、特定の資格取得対策講座を設置しているところもある。
短期大学を卒業するのに修得が必要な単位数は、2年制の短期大学では「2年以上在学し、62単位以上」、3年制の短期大学では「3年以上在学し、93単位以上」である。
■短期大学での卒業に必要な修得単位 修業年限 単位数 下記以外の学部 2年 62単位以上 医学系の学科等 3年 93単位以上 ※その他の学科でも3年制の学科もあるので、短期大学の資料などでよく確認しておくことをオススメします。
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- 就職以外の進路はあるの?
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進学の一つに4年制大学への編入学があるよ!
卒業後は、大きく分けて就職する道と進学する道があり、進学先の一つとしてあげられるのが4年制大学への編入学だ。これは「短期大学で学んだことをより専門的に学習したい」という意欲ある学生のための制度で、平成30年度には、約4,000人が短期大学から4年制大学へ編入している。
短期大学生が卒業後、大学に編入するには、次の3つの方法がある。
- ・大学に併設されている短期大学からの編入
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内部編入の指定枠があるので単位の認定がスムーズに行われることが多い。編入学試験が免除されることもある。
- ・推薦(指定校)協定を結んでいる大学への編入
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これも、試験がない場合があり、また同様に単位認定がスムーズに行われることが多い。
- ・前記以外の大学へ編入学試験を受けて編入
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定員枠を設けている大学は年々増加している。
このほか、短期大学の専攻科(より専門的なことを学ぶ1年以上の課程)や専門学校に進学したり、外国の学校へ留学する人もいる。
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- 専門学校ってどんな学校?
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「社会で即戦力になる人材を育てる」学校。
職業もしくは実生活に必要な能力を身につけたり、知識の向上を図ることを目的としているのが専門学校だ。修業年限や授業時間数など法律などで定められた条件をクリアしている学校を「専修学校」という。
専修学校のうち、高等学校卒業(もしくは高卒同等)以上を入学資格とした「専門課程」を設置する専修学校が「専門学校」だ。専修学校にも国立、公立、私立があり、私立の専修学校の場合は、都道府県の認可が必要になる。
修業年限1年以上、年間800時間以上(夜間の場合、年間450時間以上)の授業が専門学校としての要件だ。
また、都道府県の認可を受けた学校に「各種学校」があるが、入学資格や授業時間数などの条件が専門学校とは異なり区別されている。
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- 専門学校のカリキュラムについて教えて!
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プロの養成を目的としているから、カリキュラムの大半は専門科目を学ぶよ。
専門学校は、職業に直結した「知識」や「技術」を習得する場所だ。そのため、スペシャリストの養成を目的としたカリキュラム(学ぶ科目)が組まれている。
専門学校の分野は、文部科学省の分類によると、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8つの分野に分かれる。
専門学校のカリキュラムの大半は専門科目だが、そのカリキュラムは学校独自の特色を生かした内容になっており、同じ学科やコース名であっても学校によって学ぶ内容は異なる。ただし、医療や栄養、調理などのように、厚生労働大臣指定校である場合は、厚生労働省が定める基準に沿ったカリキュラムを編成しなければならないといった分野もある。
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- 専門学校の進路指導はどんな感じ?
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就職指導の熱心さには定評があるよ。
専門学校の目的は「社会で即戦力になる人材を育てる」こと。したがって、就職指導の熱心さにも定評がある。1年生から就職ガイダンスを実施している学校も多く、一人ひとりの希望に合わせたアドバイスが行われる。資料請求の仕方から就職活動スケジュールの立て方までキメ細やかな指導が行われているのだ。
専門学校の就職状況を知りたいときは、まずデータに注目してみよう。めざしたい業種、職業、就職先を想定しながら具体的な実績を見ていくといい。
また、就職だけではなくさらに進学する学生のための支援や制度もあり、進路指導の面で学生へのバックアップ体制が万全に整っていると言っていいだろう。
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- 専門職大学・専門職短期大学ってどんな学校?
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特定の職業のプロフェッショナルになるための大学。
一般の大学と違い、一般の教員のほか実務経験が豊富な教員(実務家教員)や企業現場の方が指導・教授する。豊富な実習・実技を通じて、就職後に役立つ高度な「実践力」を身につけることができる。専門職大学は4年制課程、専門職短期大学は2年制又は3年制課程がある。
専門職大学を卒業すると「学士(専門職)」の学位を、専門職短期大学を卒業すると「短期大学士(専門職)」の学位が授与され、大学卒(短期大学卒)の人材として就職や大学院進学(4年制課程卒業の場合)、留学ができる。
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