鈴木 聡美選手
女子競泳選手 ミキハウス所属
2018アジア大会・女子50m、100m平泳ぎ金メダリスト
女子平泳ぎ50m日本記録保持者
鈴木 聡美選手
女子競泳選手 ミキハウス所属2018アジア大会・女子50m、100m平泳ぎ金メダリスト
女子平泳ぎ50m日本記録保持者
PROFILE
1991年1月29日生まれ。福岡県出身。4歳から水泳を始め、地元の遠賀中学校から九州産業大学付属九州高等学校、そして水泳の強豪・山梨学院大学に進学。すると大学入学後に力を発揮し、1年時の学生選手権100m平泳ぎで日本記録を出して優勝した。また2010年の日本選手権では平泳ぎ50m、100m、200mの三冠を達成。同年のアジア大会にも出場し50m3位、100m2位と活躍を見せた。2012年の日本選手権でも好成績を出し、ロンドンオリンピックに初出場。200mの銀メダルをはじめ3つのメダルを獲得した。2013年、大学卒業後にミキハウスに入社した。その後2016年のリオデジャネイロオリンピックにも代表に選出されるがメダルには届かなかった。そして今年開催されたアジア大会2018では、女子100m平泳ぎで日本選手団初の金メダルを獲得。50m平泳ぎでは前回に続いての連覇、400mメドレーリレーでも優勝し3つの金メダルを獲得。2020年の東京オリンピックでの活躍が期待されている。鈴木 聡美選手の学生時代は・・・
勝つことよりも、自分の記録を伸ばしたい気持ちが強かった
中学生になると全国中学校大会にも出るようになり、自分より泳ぎが上手くタイムの良い子がいると羨ましく思うようになりました。おそらく水泳を競技として意識するようになったのも、この頃からです。それからは、もちろん勝ちたいという気持ちはありましたが、それよりも自分の記録を伸ばしたい思いの方が強くなっていきました。一位になっても自己記録より遅かったりすると、嬉しくなかったんです(笑)。その気持ちは今もずっと同じですね。
九州産業大学付属九州高等学校時代も、学校の水泳部に所属していましたが、もっぱら練習は中学時代からお世話になっていた「オールウエイズ・スイミングクラブ」でやっていました。毎日の練習と試合、合宿などもあって忙しい高校時代でしたが、学業と水泳を両立できたことで、自分にはいいバランスになっていた気がします。高校までは目立った成績を残せたわけではなかったですが、充実した高校時代でしたね。
大学を大きなステップに、アジアへ、そしてオリンピックへ
大学での厳しい練習が、世界へ挑む記録につながった
その後も世界選手権やアジア大会、そしてロンドンにリオデジャネイロオリンピックと、数々の国際大会で日本代表として泳いできました。特に今年のジャカルタ・アジア大会では3つの金メダルを手にすることができ満足しています。中でも400mメドレーリレーは緊張していたんです。何故ならメドレーで泳ぐのはひさしぶりだったから。そんな私に『ロンドンでメダルをとった人が何言ってるんですか』と声をかけ、奮い立たせてくれたのが池江璃花子選手でした。『100mの金もとっているんだし、私が頑張れば日本記録も狙えるんじゃないか』という気持ちにさせてくれました(笑)。彼女は高校生なのに頭もよく、自分の考えをしっかり持った選手です。すごいなぁって思いますね。そしてロンドンオリンピックの時の自分を思い出しました。あの時『私が行きます!』と一番年下の私が先輩たちに宣言していました。一番年上の人間が、下から励まされるって、こういうことなんだと痛感しました(笑)。
鈴木 聡美選手からのワンポイントアドバイス
どの泳ぎにも必要な、基礎体力と体づくりを考える
(1)エンドレス・・・これは山梨学院大学・水泳部の伝統的な練習で、平泳ぎ200mを3本。ただしタイムは2分40秒を1本でも上回ると追加されるという、まさにエンドレスなハード練習です。
(2)多種目を泳ぐ・・・高校時代までは平泳ぎだけ練習していましたが、大学では200mバタフライを10本、背泳ぎ100mを10〜20本、クロール100mを30本、400mメドレーを6本など。様々な泳ぎを練習することで基礎体力をつけ、泳ぐ土台の体作りをしていました。
(3)筋力トレーニング・・・これも高校時代はあまりやってこなかったトレーニングです。マシーンやマットを使い、負荷をつけてトレーニングします。特に平泳ぎでは肩胛骨と体幹、そして太ももの筋力が大事になりますので、集中して鍛えるようにしていました。
(4)体幹トレーニング・・・私はバランスボールをよく使っていました。ボールの上に立ったり、ひざ立ちして平泳ぎのポーズをするなど。また負荷をかけてやるのもいいです。体幹を鍛えることは、水泳に限らずあらゆるスポーツに有効的だと思います。
(5)チュービング・・・ゴムバンドやチューブを使ったトレーニングですが、チューブを使ってスクロールなど腕の動きと筋肉を鍛えていました。また、パドルが着いたチューブも効果的だと思います。
以上がだいたいの練習メニューです。また平泳ぎに関して言うなら、特に水の抵抗を受けやすい泳ぎなので、キックの仕方や呼吸のタイミングなど。自分の体に合った泳ぎのスタイルを身につけて、いかに抵抗の少ない泳ぎにするかがポイントになると思います。また、自分の泳ぎを客観的に見て、修正していくこともタイムにつながると思いますよ。
※プロフィール等は2018年9月時点のものです。
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