【特集】陣内貴美子選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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陣内 貴美子さん プロフィール

陣内 貴美子さん

元バドミントン日本代表 スポーツキャスター

PROFILE

1964年3月10日生まれ 熊本県出身
熊本県八代市で小学校4年生からバドミントンを始め、中学時代は全国大会2連覇、そして熊本中央女子高校(現:熊本中央高校)に進学。高校2年生の時、史上最年少のナショナルチーム入りを果たす。
その後12年間、日本を代表するバドミントン選手として世界中で活躍し、92年には念願のバルセロナオリンピックに出場を果たして引退。全国でバドミントン競技の普及に努めるかたわら、テレビでもスポーツキャスターとして登場。現在は日本テレビ「ニュースプラス1」や「おもいっきりテレビ」などのパーソナリティーをはじめ、ラジオ、講演会、イベント出演など幅広く活躍中。

陣内貴美子さんとバドミントン

一生懸命になれたのは、バドミントンが好きなこととチームメイトがみんな仲良しだったから

陣内 貴美子さん写真
熊本県八代市はバドミントンの盛んなところ。それに加えて、何をするにもいつも一緒だった姉がバドミントンをしていたこともあって、自然と後を追いかけるように小学校4年生からバドミントンを始めました。中学に入ってからは「八代強化クラブ」に入り、それこそ365日毎日、バドミントンやってましたね。このクラブには八代市の各中学から選ばれた12名がいて、みんな学校から帰るとクラブに集まって毎日5時間以上ハードな練習をこなすんです。本当は遊びたい年頃ですよね。でも、みんな一生懸命になれたのは、バドミントンが好きなこととチームメートがみんな仲良しだったからすごく楽しかったんです。そのチームワークときたら、すごかった!コーチの目を盗んでいろんなズルをしましたね(笑)。今でも、みんなで集まると当時の話題は尽きません。
そして私はバドミントンで熊本中央女子高校(現:熊本中央高校)に進学し、3年間寮生活をしてたんですよ。部屋は4人部屋で先輩と同室だったので、洗濯はもちろん食事やお弁当まで後輩が作らないといけなくてホント大変だったなぁ~。今まで実家では全てお母さんがしてくれていたので、私はバドミントンだけやっていればよかった生活が、寮生活でいきなりの家事。毎日、お母さんに電話をかけてレクチャーしてもらってました(笑)。

ナショナルチーム入りをきっかけに、夢は世界へと広がった高校時代

陣内 貴美子さん写真
そして16才の時にナショナルチームに選ばれたことで、生活も大きく変わりました。そして、いつしか夢は世界へと広がっていきました。それまでの「高校生、そして大学生のチャンピオンになって熊本で教師としてバドミントンを教えていきたい」という夢が、ナショナルチームのメンバーに選ばれたことで目標は世界に変わっていきました。ただ遠征で不在が多くなり、学生としては大変な時期でもあったんです。でも先生方に助けていただいたり、友だちみんなが授業のノートを取ってくれたり、いろんな人たちの助けがあったからこそ学生としてもバドミントン選手としても充実した時間を過ごせたんだと思いますね。
また、ナショナルチームでは一番年下だったので先輩たちにもかわいがってもらいました。遠征の合間を見て試験勉強をしていると、先輩が私のラケットのガットを張ってくれたりして。そんなたくさんの先輩や友だちに助けられて、バドミントンに打ち込むことが出来たんです。

オリンピックは選手時代の最高のフィナーレになりました。

私は16才でナショナルチームに入り、ユーバー杯でデビューしたんです。だから自分の中でちょうど10年という節目になる同じユーバー杯で引退しようと決めてたんです。実際に10年間で身体もボロボロだったし、第一線でプレーするという肉体的かつ精神的なプレッシャーも感じてましたね。でも、ユーバー杯の2年後に開催されるバルセロナからバドミントンがオリンピックの正式種目になると聞いてすごく悩みました。スポーツ選手にとってオリンピックはやはり夢だし、そのチャンスが私たちのも手の届くところにあるんだから。そして引退を2年延ばして、オリンピックを選手としてのゴールにしたんです。
すごく印象に残っているのは、世界中のバドミントン選手にとってもオリンピックは初めてなんだということ。みんながオリンピックというムードの中で、異常に緊張して舞い上がってたんだと思います。ラケットを顔にあててしまう選手なんかもいて、おかしかったなぁ~。でも、スポーツ選手にとってオリンピックは、やはり見るものじゃなく参加するものだ!と痛感しました。選手時代の最高のフィナーレになりました。

陣内 貴美子さんからのワンポイントアドバイス

中学から高校の時代は収集力があるとき。基本をしっかりやれば、プレーに応用力ができる

陣内 貴美子さん写真
練習の基本はやはり走ること。プラス屈伸運動や腹筋・背筋などの筋肉を鍛えることが大事です。すなわち基本が大事ということですね。学生時代は毎日最低14キロは走ってました。そしてナショナルチームでは、ランニングと素振り、フットワークの繰り返しでしたけど、確実に自分が強くなっていくのを実感していました。特に中学から高校の時代はすごく収集力があるとき。基本がしっかりとできていればプレーに応用力がつきます。数学の方程式と同じで、基礎ができれば応用ができ、プレーにパワーと幅が出てくるはずです。
理想的な練習のメニューとしては
(1)ランニング
(2)屈伸運動
(3)腹筋・背筋を鍛えるトレーニング
(4)素振り
(5)ハイクリアを欠かさずに
   (ドロップやスマッシュの強化につながります)
(6)チームメイトとゲームを数セット
など、下半身を鍛える練習をベースによい筋肉をつけることを心掛けてください。

陣内 貴美子さんからみんなへメッセージ

無我夢中で一生懸命やることが、プラスになるはず

陣内 貴美子さん写真
私の学生時代はバドミントン一色だったから、遊んだ思い出はあまりなかったなぁ~。友だちと映画を見に行ったこともないし、買い食いだってしたこともない。でも、自分がバドミントンに打ち込めたということは、すごく意義のある貴重な経験ができたと思います。すごく楽しかった思い出です。もちろん練習を通して選手として成長することができた。そして先輩や友だち、コーチやチームメイトなど素晴らしい人間関係に恵まれて、一人の人間としても成長できたと確信しています。一生懸命に何かをするということを知った時間でもありました。ただ、スポーツは強くなることは二の次じゃないかなと思います。

※この記事は2004年5月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。

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藤井 瑞希さん(元バドミントン選手)
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髙橋 礼華さん(元バドミントン選手)
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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一