【特集】小野塚彩那選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

アスリートからの熱いメッセージ

小野塚彩那さん プロフィール

小野塚 彩那さん

スキー選手(フリーライド)
ソチオリンピック スキー・フリースタイル女子ハーフパイプ 銅メダリスト

PROFILE

2歳からスキーを始める。アルペンスキー、スキー技術選ともにトップ選手として活躍していたが、スキーのハーフパイプが2014年ソチオリンピックで正式種目となるタイミングで競技転向を決意。転向後はアメリカをベースにワールドカップ(以下、W杯)を転戦。2年目にはW杯年間総合ランキング3位、世界選手権3位、W杯最高位2位をマークした。この種目で日本人女性初となるエクストリーム系スポーツの最高峰X-GAMESのインビテーションを獲得。着々と実績を積み、トップ選手の仲間入りを果たすと、2014年、初めて出場したソチオリンピックでは銅メダルを獲得。2014-15、2015-16の2シーズン続けてW杯の年間総合優勝を達成。2017年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点を極めた。2大会連続出場となった平昌オリンピック(2018年)は5位入賞。現在はフリーライドスキーに転向。日本人女子として初めてFreeride world Tourに出場した。

小野塚彩那さんの学生時代は・・・

スキーが身近な環境で育ち、とにかくスキーに夢中だった

小野塚彩那さん写真
 スキーを始めたのは2歳の時です。同じ市内に住む祖父母がスキー場のすぐ近くで旅館を営んでいたので、冬の間は母親が私と弟を連れて旅館の手伝いに行き、春になると実家に戻るという生活をしていました。目の前にスキー場がある環境で過ごしたこともあり、少しでも時間があれば旅館のアルバイトの人に連れられてゲレンデに向かい、スキーをする毎日でした。小さい頃からもはや生活の一部になっていたくらい、スキーに没頭する日々を送っていましたね。本格的に競技を始めたのは、小学2年生の時です。雪山の斜面を滑降してタイムを競う、アルペンスキーという競技から始まりました。地元のジュニアチームは本来、小学3年生から所属できるのですが、2年生から所属させてもらって練習を積み、3年生から大会に出場するようになりました。中学・高校時代もスキー部に所属して、夏はチームメイトと一緒にトレーニングに励み、冬は大会に出場していました。その間も実家と祖父母の旅館を行き来する生活は変わらず、部活以外の時間もひたすらスキーをしていましたね。とにかくスキーが大好きで、スキー場にいる時が一番自然体の私でいられました。
 高校卒業後はスポーツ推薦で専修大学に進学し、スキー部に所属しましたが、当初は思うように成績が伸びず、スランプに陥りました。スキーは変わらず好きなままでしたが、競技自体を辞めたくなってしまい、トレーニングもすべて中断してしまったのです。もともと団体行動が苦手で、大学では特に部活に馴染めなかったこともあり、モチベーションを保ち続けることができなくなっていました。ですが、そこで基礎スキーという競技に出会いました。基礎スキーは、アルペンスキーのようにタイムを競うものではなく、スキー技術の完成度や正確性、美しさが求められます。大学1年生の終わり頃、一旦気持ちを切り替えようと、全日本スキー技術選手権大会(技術選)に出場しました。すると初出場にも関わらず、大人に混ざっていきなり入賞することができたのです。自然と競技への情熱を取り戻し、スキーの楽しさを再確認することができました。それからはアルペンスキーと基礎スキー、両方の大会に出場するようになり、大学4年生の時には、全日本学生スキー選手権大会(インカレ)のアルペンスキーで優勝を果たしました。新しい競技にチャレンジし、技術選で好成績を収めたことは自信に繋がりましたし、結果的にスキーヤーとして競技の幅を広げることができたのだと思います。

スキーに人生を捧げてきたからこそたどり着いた本質

一念発起して競技転向を決意、世界の大舞台に挑む

小野塚彩那さん写真
 大学卒業後は実業団には所属せず、プロとして競技を続けました。自分の力で困難を乗り越えていく必要がありましたが、自由に活動するスタイルは性に合っていたのだと思います。大会で賞金を稼いで活動費に充てたり、単独で海外に渡ったりと、苦労も多かったですが、「なんとかなる」と言い聞かせながら道を切り開いてきた経験は、その後の人生の糧になっています。
 ハーフパイプへの転向を決めたのは、2011年の4月。2014年のソチオリンピックから、ハーフパイプが正式種目になるというニュースを目にしたのがきっかけでした。日本国内で開催された大会には出場経験があり、その時に「これだったらオリンピックに行けるかも!」と直感的に思ったのです。いちアスリートとして、オリンピックに出たいという漠然とした夢があったので、これを機に新しい競技でオリンピックを狙ってみようという、それだけの理由で転向を決めました。出場できる保証は何もないのに、根拠のない自信はありましたね(笑)。しかし、競技転向後に初出場したワールドカップは、まさかの最下位から2番目という結果に終わり、世界の壁の高さを痛感しました。同時に、いろんな人から支援を受けて挑んだ大会でこの成績ではまずいと危機感を持ち、それまで以上に必死に練習するようになりました。コーチとの出会いも追い風となり、2年目にはワールドカップや世界選手権で入賞するまでになりました。
 ソチオリンピックへの切符も無事手に入れて、初出場で銅メダルを獲得しました。当時はメダルの獲得が目標だったので、戦績には満足していたのですが、オリンピックや世界選手権で国歌が流れるのは優勝国のみでした。優勝したアメリカ代表の友人が、自国の国歌が流れる表彰台に堂々と立つ姿を間近で見て強い憧れを抱き、オリンピックか世界選手権で世界の頂点に立つことが次の目標になりました。その目標を達成したのが、2017年の世界選手権です。日本代表として国旗を持ち、表彰台のトップで君が代を聴いた瞬間は、感動で胸がいっぱいでした。2018年に平昌オリンピックにも出場して5位入賞という成績を収めた後、その次のシーズンで引退を表明しました。オリンピックにも二度出場し、世界選手権でも優勝したので、「やりきった!」という満足感でいっぱいでしたし、すっきりした気持ちで引退しました。
 現在は1児の母として子育てをしながら、未整備の雪山やバックカントリーなどを滑走するフリーライドスキーに転向してスキーを続けています。子ども達へのスキー指導や、自ら滑るスキー映像を作品に残すなど、活動の幅も広がりました。フリーライドスキーには、自然のままの地形を攻略するための高度なスキー技術が求められるので、また一歩スキーの本質に近づいたような気がしています。人間の力が遠く及ばない、大自然のシビアな環境に身を置くようになったことで、自然への向き合い方も大きく変化し、環境問題にもより強い関心を抱くようになりました。未来を担う子ども達に、大好きなスキーの魅力を伝えつつ、環境保護の大切さについて一緒に考えてもらうための活動を続けていけたらと考えています。

小野塚彩那さんからのワンポイントアドバイス

最後は自分のやる気次第、人に負けない気持ちで取り組もう

小野塚彩那さん写真
 「このトレーニングをしたら必ず勝てる」という絶対的な正解はありません。私自身、高校時代はトレーニングにはあまり重点を置いておらず、ひたすらスキー場で滑り続けていたことが結果的に成績に結びついていました。そのため、ここでは私がトレーニングや競技に取り組む上で意識していたことをお伝えします。
(1)自分の体の状態を知る…ただ漠然とトレーニングを始めるのではなく、まずは自分の体の状態を把握してから必要なトレーニングを考えましょう。私は専門機関に行って体力や身体能力などを細かく測定してもらい、具体的な数値データをもとにトレーニング方法を考えていました。自分の弱点や課題が明確になったら、インターネットで調べたり、トレーナーや専門家に聞いてみたりしながら、自分に合ったトレーニング方法を検討してみてください。
(2)体の使い方を意識する…体の状態を知るだけでなく、トレーニングによって鍛えた体の使い方まで意識して、自分自身でコントロールできるようになることも大切です。筋力トレーニングはもちろん必要ですが、単に筋肉量を増やしたり、体のどこか一点のみを鍛えたりするだけでは意味がありません。スキー競技で急斜面のコースを高速で滑走するためには、全身の筋肉を細かく使う必要があります。実戦での動きに適した筋肉をつけるのと同時に、筋肉の動かし方を頭で理解して効果的に活用できるようにしましょう。
また、安定した姿勢を保って滑走するためには筋力や体幹はもちろん、バランス感覚が不可欠です。トップクラスのスキー選手は、バランスボールの上に立てるほどバランス感覚が優れています。バランス感覚を鍛えるためのトレーニングとしては、目を閉じた状態で両手を真横に広げ、体の前で手のひらがぴったり重なるように合わせる練習があります。視覚情報に頼らずに体の各パーツの位置や動きを感知できるようになれば、自分の体をより正確にコントロールすることが可能になります。

 他の人と同じ練習をしているだけでは絶対に勝てません。スキーに限らずスポーツ全般において、本気で競技を極めるのなら、身も心もすべて捧げるつもりで挑む必要があります。周囲がやっている練習を10とするなら12くらいやるイメージで、日々の練習に取り組んでください。結局は競技に向き合う精神力と人一倍の努力が勝利に繋がるのだと思います。一番になりたいという強い気持ちで取り組めば、自然と力がついてくるはずです。

MESSAGE

小野塚彩那さんから
みんなへメッセージ

小野塚彩那さん写真

自分の原動力になる「好き」を貫いてほしい

 高校生の皆さんには、好きなことや興味があることをやり通す意志を持ってほしいと思っています。私はスキーが本当に大好きで、スキーだけを突き詰めてきたからこそ今があります。時には壁にぶち当たることもあると思いますが、本当に好きなことだったら試練すらもモチベーションに変えてしまうはず。「好き」を止めないことが何よりも大事だと思うので、諦めずにチャレンジしてください。また、少しでもやりたいと思ったら、とりあえず行動に移してみることも大切です。やってみないとわからないことって、たくさんあると思います。行動力が自分の可能性を広げるので、まずは一歩踏み出してみてください。もしピンチが来たら、その時に考えればいいんです。トライアンドエラーを繰り返していけば、ピンチをチャンスに変えられることもあるかもしれません。
 私のモットーは「やらずに後悔するよりも、やって後悔する方が良い」。ハーフパイプに転向したときも、ここでやらなかったら将来絶対に後悔すると思って決断した道が、私の運命を大きく変えました。私の競技人生において、どんなシチュエーションでもこの言葉が活きています。きっとこれからも、この信念のもとでいろんなことにチャレンジしていく人生になると思います。私にしかできないことに挑み続けて、スキーヤー・小野塚彩那としてのオンリーワンの価値を高めていきたいです。

※掲載内容は2024年4月の取材時のものです。

上村 愛子選手
上村 愛子選手(スキーフリースタイルモーグル選手)
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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一