香川県　笠田高校　植物科学科植物バイオコース３年生のみなさんの善きことニュース

絶滅危惧種のササユリの培養に成功　故郷広島町王頭山に移植

香川県　笠田高校　植物科学科植物バイオコース３年生のみなさん

香川県立笠田高校の生徒は、農業系高校の伝統と技術を生かし、観音寺市有明浜の希少な海浜植物の保全に力を入れている。最近では、県のレッドデータブックで絶滅危惧I類指定の「ササユリ」を復活させようと、同県丸亀市広島町の王頭山にわずかに自生する野生種のササユリの培養に取り組んでいる。

山火事と酸性雨による松枯れと環境悪化で絶滅危機となった王頭山のササユリ。２０１２年秋、「何とか増やしてほしい」との広島町の住民からの依頼を受け、２０１３年１月から植物科学科植物バイオコースの３年生が取り組みをスタート。組織の一部から再生が可能という植物の性質を利用した「器官培養」で増殖を試みる他、王頭山での現地調査も行った。

今年度は３年生１１人が担当。先輩から受け継ぐバイオ技術を使った寒天培地による培養・増殖法で約３千個の球根を作った。

そして１０月末、１１人の生徒と広島町内会代表が元株の故郷王頭山に球根約３００個を植えた。

生徒は「先輩から受け継いだ研究が、ようやく形になる」と話し、広島にササユリが群生する様子を思い浮かべていた。

なお、王頭山に球根を植えるにあたり、ササユリ保存会が創立された。
（2014年12月掲載）