高知県　春野高校　「服飾手芸」を学ぶ生徒たちの善きことニュース

幼児や障害児に　先輩の布絵本改良　図書館に寄贈

高知県　春野高校　「服飾手芸」を学ぶ生徒たち

「なすことによって学ぶ」を校是とする高知県立春野高等学校。多彩な体験学習に加え、生徒たちはこの教えを地域に生かそうと、様々な貢献活動に取り組んでいる。

今年２月、「服飾手芸」を学ぶ８人の３年生が、オーテピア高知図書館に手作りのオリジナル布絵本を寄贈した。

布絵本は、ボタンやファスナーなどさまざまな仕掛けが施され、乳幼児や障害児が見て触れることで、学び楽しむことができる。図書館では布絵本を積極的に収集しているが、出版社などからの販売数が少ないうえに高価なことから、所蔵数も種類も足りないという。

そこで、同校の３年生が専門科目「子育て支援講座」の「赤ちゃんとのふれあい体験学習」を受けた際、協力してくれた親子に生徒自作の布絵本を贈っていることを聞き、布絵本の制作を依頼した。

生徒たちは、図書館と打ち合わせする中で、先輩たちが作り、学校に保管してあった布絵本の再活用を提案。安全性、耐久性の向上を図ることで了承を得た。

生徒たちは改良に着手。のり付けされた部分は、刺繍糸で縫い付けた他、新たに押すと音が出る仕掛けなど、アイデアに満ちた５冊を完成させた。

寄贈式には２人の生徒が代表として出席。「安全に、見て聞いて触って楽しめる布絵本に仕上げました」「多くの人に利用してもらえたらうれしい」と、図書館長に手渡した。

図書館長は「たいへんありがたい」と感謝の言葉を述べ、今後は、館内に展示し、貸出を始める予定という。
（2020年3月掲載）