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善きことをした小学生・中学生達
世のため、人のために立派な行いをしている小学生・中学生達を紹介します。
子供達の活躍を、ぜひご覧ください。
被災地に明るい未来を 「祈り」テーマに壁画制作
熊本県 錦ヶ丘中学校 美術部のみなさん
九州の中央、熊本県の西北部に位置する熊本市に、1967年(昭和42年)創立の市立錦ヶ丘中学校がある。同校は終日チャイムの鳴らない学校として知られ、生徒も自ら時間を管理するなどの自主性を育んでいる。
また同校は、花いっぱいの学校をめざしており、2004(平成16)年度の「全日本学校関係緑化コンクール」<1000m花壇に挑戦>で、学校環境緑化の部「特選(文部科学大臣賞)」を受賞している。生徒は花壇作りを通して、命を慈しむやさしさと思いやりの心を養っている。
生徒は日々の学校生活で身に付けた力を、様々な形で生かしており、今年の5月には美術部の生徒が、「東日本大震災」の被災者を力づけようと、「祈り」をテーマにした壁画を制作した。
現地の惨状をテレビのニュースなどで知り、心を痛めた3年生(震災発生当時2年生)が、「被災地のために、美術部にしかできないことをしよう」と提案。美術室前の廊下壁面に掲げられたキャンバスに絵を描くことを決めた。
しかし、部員たちはここで大きな壁にぶつかった。なにを描けばいいのか。どう表現すればいいのか。顧問の教諭は、苦悩する当時の生徒の姿を振り返り、「倒壊した建物など被災地の暗いイメージから抜け出せず、苦労した時期もあったようだ」と話す。
そして部員たちは、何度も話し合い、イメージを出し合い、その結果、被災地の復興した後の明るい未来への「祈り」を描くことに決めた。
部員47人が、約2ヶ月かけて5月に完成した壁画は縦180センチ、横360センチの大作。そこには、目を閉じて静かに祈りをささげる少女と、背景に色鮮やかな花や虹とともに復興した未来の被災地の街並みが描かれており、見るものの心に、未来をたくましく生きる被災者の方々の姿が浮かびあがってくる。
部員たちは「壁画を直接被災地へ送り届けることはできないが、絵を見た人が被災地のために行動を起こすきっかけになってほしい」と、絵に込めた思いを語る。同校の生徒は、自分たちも、被災者のためにできることを考え、実行していきたいと、真摯な表情で話していた。
なお、同校によると、壁画を保護者や来校者に見てもらうことにしているという。
(2011年7月掲載)
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