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善きことをした小学生・中学生達
世のため、人のために立派な行いをしている小学生・中学生達を紹介します。
子供達の活躍を、ぜひご覧ください。
車いすの同級生も縄跳びに参加させて、と訴え 県教委、ルール改正
長野県 松代小学校 4年1組のみなさん
戦国時代の武将、武田信玄が山本勘助に命じて築いたと言われる松代城(国指定史跡)の城下町、長野市松代町。儒学者佐久間象山など、才能豊かな人材を数多く輩出した同町に市立松代小学校がある。
同校は、1855(安政2)年に開校した松代藩の藩校「文武学校」の伝統を受け継ぎ、「個の文化を開く教育の創造」を基本理念として、
郷土を愛し、地元文化の高揚や地域貢献など、意欲ある児童の育成に努めて来た。児童も、豊かな自然とのかかわりや出会った人とのかかわりの中で、共に学ぶ喜びと共に、互いを思いやる心を育んでいる。
4年1組の児童は、今年度の1学期から、子供たちが楽しみながらスポーツの記録を競う県教委の「ながのスポーツスタジアム」の縄跳び競技「クラスで8の字ジャンプ」に挑戦してきた。
5分間にクラス全員が順番に8の字回りに縄跳びをした回数を競うもので、1組では、苦手な人から跳んだり、前の人の背中に手を置いて跳ぶタイミングを知らせるなどの工夫を凝らし、最高で313回を記録した。県内の他校のクラスと1位を争うほどだったが、そんな6月のある日、児童が、いつも一人だけ縄跳びに参加していないクラスメイトがいることに気づいた。それは、病気のため車いすで生活しているT君だ。
1組の児童は「クラス全員で跳びたい!」「いつも時計係をしてくれているT君も、8の字ジャンプに参加できるようにしよう」とみんなで考え、県教委に“車いすの児童も参加できるようにして”と、ルール改正を求める手紙を出した。T君も「車いすで(縄を)くぐることで1回と数えてよいことにしてもらえないか」と提案した。
児童からの手紙を受け取った県教委スポーツ課の職員は、「車いすのことは頭になかった。松代小学校の子供たちに気づかせてもらった」「頭が下がる思い」と感謝し、すぐにルール改正を検討。T君の提案を生かして「車椅子で参加の場合は、なわをくぐりぬけた場合も1回とする」と改めた。
車いすの級友のために、自分たちの力でルール改正を実現した4年1組の児童は、「313回の最高記録をいったん手放すことになったけど、記録は後回し。みんなで跳ぶことがもっと大事」と笑顔で話す。そしてT君も参加しての練習に励み、9月末のホームルームで試しに跳んでみたところ、過去最高の335回を記録した。担任の教諭は、クラス全員が互いを思いやる心で結束し、「より団結力が強まった結果」と子供たちの成長を喜び、新たな記録を県教委に報告した。
室内での体育の授業が増える冬場は、スポーツスタジアムの縄跳び競技に挑むクラスが増える見込みという。4年1組の児童は「クラス全員で跳んで、達成感を味わいたい」と、ライバルに勝つべく、クラス一丸で記録に挑んでいる。
(2009年12月掲載)
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