志望動機の考え方

「志望理由書」と「履歴書」

就職試験では履歴書に志望動機を書きますが、進学の学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜( AO入試)では志望理由書に受験した理由や将来の展望を書き、自
分という存在を志望先にアピールします。
つまり、「志望理由書」や「履歴書」は面接の前に自分をアピールする書類なので
す。※志望理由書は学校により名称が異なるケースがあります。
 (例:エントリーシート、自己推薦書 など)

志望理由書で見られること

志望理由が重要なのは言うまでもないことですが、この書類で見られるものはそれだけではありません。高校生として持つべき基礎的教養があるのか、将来性はあるか、学校(会社)の考え方や方向性に合うかなど、様々なことを読み
取ろうとしているのです。
その場で作成しなければいけない小論文とは違い、志望理由書はあらかじめ考えて準備をすることができます。そのため、特に誤字脱字には十分注意し、丁寧に気持ちをこめて記入することを忘れてはいけません。

志望理由書を書く前に

1)自己分析
志望理由を考えるにあたって最初に考えなければならないことが“自分自身につい
て”です。自分がやってきたこと、これからやっていきたいこと、そう考えたきっか
けは何かなど、自分自身を理解しなければ志望理由は書けません。

2)相手分析
自分のことを整理したら、次は相手を研究することです。進学では、この学校では
何を学び何を得ることができるのか、同じ系統の他の学校と比べて何が違うのかを
よく調べることも必要です。
就職では、この会社ではどのような仕事があるのか、同じ事業内容の他の会社と比
べて何が違うのかも調べてみましょう。

3)志望動機を考える

言葉遣いに注意

日頃家族や友達と会話する時に使っている言葉には、思わぬ落とし穴が隠れています。面接や正式文書でうっかり出てしまわないよう、細心の注意を払わなければいけません。「ら抜き言葉」にも注意が必要です。
 例)×「起きれない」 → ◯「起きられない」

呼称における注意点

志望理由書だけでなく面接時も同様に呼び方には気をつけなければいけません。下記の表をしっかり頭に入れておきましょう。

呼称一覧

文章の構成

  • 進学希望での構成例
  • 就職希望での構成例

導入

将来なりたいもの、やりたいことをわかりやすく示します。

私は将来、獣医を志しています。その目標を実現させるため、貴学(貴校)で学びたいと考えています。

背景

何故やりたいと思ったのか、理由を示します。
体験談など具体的なエピソードを添えると面接官も理解しやすいでしょう。

獣医を目指したきっかけは、私が中学生の時、兄弟のように過ごしてきた飼い犬が大怪我をしたのですが、苦しんでいる姿を見ていることしかできずにとても情けない気持ちになりました。私はその時に動物を救える獣医になろうと心に決めました。

熱意

やりたいことの実現のために受験先を決めた具体的な理由と想いを伝えます。

貴学(貴校)には、日本でも有数の実習設備や環境が整っており、必要な知識はもちろん、必要な技術を学ぶには貴学(貴校)で勉強することが一番だと思ったからです。

結び

入学後(入社後)にやりたいこと、やろうと考えていることを伝えます。

貴学(貴校)に入学が叶った際には貪欲に学んでいきたいため、授業以外に設けられている課外講座にも積極的に参加させていただき、1つでも多くのことを吸収していきたいと考えております。

書き方は統一する

語尾の書き方は、「~です」「~ます」という丁寧な文体(=ですます調)に統一する方が良いでしょう。“ですます調”の中に、「~だ」「~である」(=である調)を混ぜてしまわないように注意しましょう。
※ 小論文などでは“である調”でも構いませんが“ですます調”か“である調”のどちら
かに統一しましょう。

その他の注意点

・文章の始まりは1マス分あけて2マス目から書く
・文末では「~と思います」を連続して使わない
・数字は漢数字ではなく算用数字(1、2、3)を使う
・書く内容はポイントを絞って書く
・ 1つの文章には1つの内容とし「、」で複数の内容を繋げてダラダラとした文章
にしない
・ インターネットなどから引用せず、必ず自分の言葉で書く

株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一